ドリスへのインタビュー
6月6日に立正大学にて行われた、早川千晶さんの講演会の後、現在、立正大学への入学準備を進めている、ドリスにmudefインターンがインタビューしました。(インタビュアー:栗原亜実)
ドリスはmudefの事業でサポートしてきたアグネスと共に来日。現在日本語の勉強を進めています。
インタビューの中では、日本やキベラスラムの生活についてなど、講演会のお話以外に色々なことをインタビューさせて頂きました。インタビュー中の明るく勉強熱心な彼女を見ると、今後の彼女の活躍がとても楽しみです。
「早く日本語を勉強して日本人の学生とコミュニケーションを取りたい」
栗原(以下、栗):日本に留学が決まった時、どんな気持ちでしたか?
ドリス(以下、ド):すごくうれしかった。
栗:日本では、日本語以外に学びたいことはありますか?
ド:(入学することになる)社会福祉学科で学べる、看護や保育、障がい者について沢山の事を学びたい
栗:日本に来日する前、日本についてどんなイメージがありましたか?
ド:日本は豊かな国だから、みんな働いていないと思った。人間は怠け者だから、豊かな国に住む日本人は、遊んで、仕事をしていないと思った。
栗:そのイメージは変わりましたか?
ド:変わった!みんな凄く働き者で、真面目な人だった。
栗:今まで、どんな日本食を食べました?
ド:お好み焼き、牛丼、カレー、みそ汁、牛丼。その中で大好きなのは牛丼!
栗:日本に来て、不便に思うことはありますか?
ド:日本語が話せないこと。日本の学生ともっとコミュニケーションを取りたいけど、日本語ができないと、英語だけのコミュニケーションは難しい。最近は、(現在暮らしている)大学の寮の留学生たちと英語で話せるから友達ができたけど、早く日本語を勉強して日本人の学生とコミュニケーションを取りたい。
栗:日本語は難しいですか?
ド:ひらがな、カタカナ、漢字があるから難しい(それでも「わたしは立正大学の学生です」と漢字とひらがなを使って、書いてくれました)
栗:好きな日本語は?
ド:「かわいいねぇ」(笑)
栗:日本に来て驚いたことはありますか?
ド:トンネル。山の下にどうやって、トンネルを作っているのかとても不思議。今までに見た事がない。トンネルの中を車で通った時もびっくりした。
栗:私もどうやってできているのか、わかりません(笑)。日本の中で行ってみたい所はありますか?
ド:暖かくて、サトウキビの採れる沖縄。
栗:どうして沖縄なの?
ド:サトウキビがあるから。サトウキビは甘くておいしいので大好き。ケニアでは半分に切って、そのまま汁を吸うのだけど、モミアスって所でサト ウキビが採れるの。日本のサトウキビが採れるところにも行ってみたい。
「将来の夢は先生になること」
栗:将来の夢は何ですか?
ド:先生になること。私は今スワヒリ語と英語ができるのだけれど、日本語ができるようになれば、世界のどこでも先生になることができる。
栗:将来は日本で働きたいですか?
ド:ううん、ケニアで働きたい
栗:得意な科目は何ですか?
ド:数学。
栗:キベラスラムでの一日を教えて下さい
ド:夜は10時に寝て、毎朝5時に起きるの。子どもたちの朝ご飯を作って、掃除をして、子どもたちを起こして、学校の準備を手伝うの。毎週火曜日は洗濯の日だから、朝4時に起きるわ。
栗:学校ではどんな仕事をしているの?
ド:子どもたちに、絵画、ドラムなど好きなものを選ばせて、教えているわ。
栗:マゴソスクールでは、どんな科目を教えているの?
ド:海洋環境、スワヒリ語、歌、数学、地理、体育、宗教
栗:1つのクラスに何人くらい居るの?
ド:55人と68人のクラスがあるわ。教室では、20人ごとに1つのテーブルに座るの。
栗:沢山、生徒がいるから、名前を覚えるのは大変じゃないの?
ド:みんな、授業中に「先生!先生!」って呼ばれるから、覚えようとしなくても、覚えちゃう。
栗:みんな、熱心に勉強しているんですね。
他にも、震災の時にマゴソスクールの子どもたちが日本のみんなに向けて歌を歌った時のお話なども伺いました。彼女は「歌で繋がることができる」と言いました。震災の時も日本の皆さんのことを想って、祈りながら歌ったそうです。この世を去ってしまった仲間や家族にも、歌っていれば、その想いは届き、いつか会えると語ってくれました。